私の職場に定期的にこられるお客さん。

病院にいる奥さんの為に、毎週花を買っていきます。

余計なおしゃべりはせずに必要なものだけ買っていくおじさん。

 最初に来られたのは2年以上前だったかな、いつもモンベルのキャップとかジャケット着てたので
『山、登られるんですか?』って聞くと『あなたも、登るんね?』って話が盛り上がって。

よくよく話を聞くと、このおじさんはナント
『もうすぐ80歳になる』と・・・なぬ!!

体もがっちりして背も高くはつらつとしたこのおじさんはどう見ても60台後半くらいにしか見えないのだ。

営業トークではなく本当に驚いて『えぇー!!うそでしょー?ぜんぜん見えませんよ』 

『帽子かぶって頭、隠してるから。帽子とったら年相応』と言いながら

『仲間には怪物って呼ばれてる!』って言ってました。とても80歳にとは思えない体力だから 。

私を今時の山ガール的なものだと思っていたらしく、結構ガチな感じでの山の話をしてると、なんか楽しそうでした。

初めての阿蘇ツーの前に『今度、阿蘇に行くんですよー』って言うと『登山?』って聞くんで

『えぇっと・・・私、実はバイクにも乗ってまして、ツーリングに・・・』 って恐る恐る小声で言うと

なんと、この怪物もベテランライダーだったんです。

どんなバイクに乗ってたか、とか今は何に乗ってるか、とか峠から谷底に落ちて骨折ったとか。

そしてさらに、この怪物は写真もやるんです。

ツーリング時にウエストバックにカメラを入れると、振動が少なくてシートに乗るような形になって体もしんどくないよーって 自分がちょっと手を加えて使ってる、モンベルのウエストバックをわざわざ持ってきて見せてくれたり。

燻製教室とかエコストーブ手作り教室とか、5か所の登山道の整備 などなどいろいろされてる方で、『キャンプツーリングするんなら道具、貸してあげるよ』って言ってくれてた。


『最近、バイク乗ってますか?』って聞くと『バイク、全部手放した・・・カブも甥にやった』

『息子が、危ないからもう乗ってくれるなって言って・・・』

危ないって・・・まぁ、息子さんもバイクに乗る人なんだろうし、怪物も納得したんだろうけど・・・なんか寂しそう。

歳の問題?若くてもダメダメなやついるよ!って言いたい所だけど、いくら体力があってしっかりしてて経験値が高くてもとっさの判断が遅れたり、って事なんでしょうね。

なんにも言えなかったです。

あとで思えば『じつは大型二輪免許を取りに行ってた』って話をした時も、心なしか反応が薄かった。

限定解除の時代の人だから、あんまりよく思わなかったのかな・・・って思ってたんだけど、そうじゃなかったのかもね。

訳あって、この怪物とももうすぐお会いできなくなります。

もしかしたらいつか一緒にツーリングいけるかなぁ、って思ったりもしたんですけど。

寂しいなぁ・・・一つの時代が終わった気がしました。
  

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